経済学・経済政策
マクロ経済学、ミクロ経済学、経済政策、国際経済に関する基本用語を解説します。
全 105 用語
- 1 GDP(国内総生産) 一定期間に国内で生産された財・サービスの付加価値の合計。
- 2 GNP(国民総生産) 一国の国民が一定期間に生産した付加価値の合計。海外での生産も含む。
- 3 NDP(国内純生産) GDPから固定資本減耗(減価償却)を差し引いた純粋な付加価値。
- 4 国民所得 一国の国民が一定期間に得た所得の合計。NNP(国民純生産)から間接税を引き補助金を加えたもの。
- 5 三面等価の原則 GDP(国内総生産)を生産・分配・支出の三面から捉えると等しくなるという原則。
- 6 経済成長率 GDPの前年比増加率。実質GDPの変化率で経済の成長度合いを測る。
- 7 景気循環 経済活動が好況・後退・不況・回復を繰り返す周期的な変動。
- 8 消費関数 所得と消費の関係を表す関数。ケインズ型ではC=C₀+cYで表される。
- 9 限界消費性向 所得が1単位増加したときに消費が増加する割合。0<MPC<1。
- 10 乗数効果 投資や政府支出の増加が、その何倍ものGDP増加をもたらす効果。
- 11 投資理論 企業の設備投資の決定要因を分析する理論。加速度原理やトービンのq理論などがある。
- 12 IS曲線 財市場の均衡(投資=貯蓄)を満たす利子率と国民所得の組合せを示す曲線。
- 13 LM曲線 貨幣市場の均衡(貨幣需要=貨幣供給)を満たす利子率と国民所得の組合せを示す曲線。
- 14 IS-LM分析 IS曲線とLM曲線の交点から、財市場と貨幣市場の同時均衡を分析する手法。
- 15 AD-AS分析 総需要曲線(AD)と総供給曲線(AS)を用いて物価水準と国民所得を同時に決定する分析手法。
- 16 フィリップス曲線 失業率とインフレ率の間に短期的にトレードオフの関係があることを示す曲線。
- 17 自然失業率 労働市場が均衡しているときに存在する失業率。摩擦的・構造的失業のみが残る水準。
- 18 マネーストック 経済全体に流通している通貨の総量。M1、M2、M3などの指標がある。
- 19 貨幣需要 経済主体が貨幣を保有しようとする需要。取引動機・予備的動機・投機的動機に分類される。
- 20 貨幣乗数 ハイパワードマネー(マネタリーベース)に対するマネーストックの倍率。
- 21 信用創造 銀行が預金と貸出を繰り返すことで、当初の預金額の何倍もの預金通貨を生み出す仕組み。
- 22 金融政策 中央銀行が通貨供給量や金利を操作して物価安定・景気調整を図る政策。
- 23 財政政策 政府が歳入(税)と歳出(政府支出)を調整して景気や所得分配に影響を与える政策。
- 24 インフレーション 物価水準が持続的に上昇する現象。ディマンドプル型とコストプッシュ型がある。
- 25 デフレーション 物価水準が持続的に下落する現象。実質債務の増大や消費の先送りを招く。
- 26 スタグフレーション 景気停滞(スタグネーション)とインフレーションが同時に発生する現象。
- 27 物価指数 物価水準の変動を測定する指数。消費者物価指数(CPI)や企業物価指数などがある。
- 28 ハロッド=ドーマーモデル 貯蓄率と資本係数から経済成長率を導出するモデル。均衡成長の不安定性(ナイフエッジ定理)を示す。
- 29 ソロー成長モデル 資本と労働の代替を前提に、長期的な経済成長の要因を分析する新古典派の成長モデル。
- 30 有効需要の原理 国民所得の水準は有効需要(消費+投資+政府支出+純輸出)の大きさによって決定されるという原理。
- 31 流動性の罠 利子率が極端に低い水準にあるとき、金融緩和を行っても人々が貨幣を保有し続け、利子率が下がらない状態。
- 32 クラウディングアウト 政府支出の増加が利子率を上昇させ、民間投資を減少させる現象。
- 33 ライフサイクル仮説 個人は生涯にわたる所得を考慮して各期の消費を決定するという仮説。
- 34 恒常所得仮説 消費は一時的な所得変動ではなく、長期的に見込まれる恒常所得に基づいて決定されるという仮説。
- 35 合理的期待形成仮説 経済主体は利用可能なすべての情報を合理的に使って将来の経済変数を予測するという仮説。
- 36 需要と供給 価格と取引量を決定する市場の基本メカニズム。需要曲線と供給曲線の交点で均衡が決まる。
- 37 需要の価格弾力性 価格が1%変化したときに需要量が何%変化するかを示す指標。
- 38 限界効用逓減の法則 財の消費量が増加するにつれて、追加1単位の消費から得られる効用(満足度)が減少する法則。
- 39 無差別曲線 消費者に同じ効用(満足度)を与える2財の消費量の組合せを結んだ曲線。
- 40 予算制約線 所得と価格の制約のもとで消費者が購入可能な2財の組合せの限界を示す直線。
- 41 消費者余剰 消費者が支払ってもよいと考える最大金額と、実際の支払額との差額。
- 42 生産者余剰 生産者が実際に受け取る価格と、最低限受け入れてもよい価格との差額。
- 43 総余剰 消費者余剰と生産者余剰の合計。社会的余剰とも呼ばれ、市場取引による社会全体の利益を表す。
- 44 死荷重 市場の非効率性(課税・独占など)により失われる社会的余剰の損失分。
- 45 市場均衡 需要量と供給量が一致する状態。均衡価格と均衡取引量が同時に決定される。
- 46 パレート最適 他の誰かの効用を下げることなしに、誰かの効用を改善することができない資源配分の状態。
- 47 外部性 市場取引を介さずに他の経済主体に影響を与える効果。正の外部性と負の外部性がある。
- 48 ピグー税 負の外部性を発生させる経済活動に対して、外部費用分の課税を行う政策。
- 49 コースの定理 取引費用がゼロであれば、当事者間の自発的交渉により外部性は効率的に解決されるという定理。
- 50 公共財 非競合性と非排除性を持つ財。市場メカニズムでは適切に供給されにくい。
- 51 フリーライダー 費用を負担せずに公共財やサービスの便益を享受する者。
- 52 情報の非対称性 取引当事者間で保有する情報に格差がある状態。逆選択やモラルハザードを引き起こす。
- 53 逆選択 情報の非対称性により、品質の悪い財やリスクの高い主体が市場に残る現象。
- 54 モラルハザード 契約後に情報の非対称性を利用して、一方の当事者が自己利益のために行動を変えてしまう問題。
- 55 レモンの市場 情報の非対称性により低品質品(レモン)ばかりが取引される市場の分析。
- 56 シグナリング 情報優位者が自らの質の高さを示すためにコストのかかる行動をとること。
- 57 市場の失敗 市場メカニズムが資源の効率的配分を達成できない状態。外部性・公共財・独占・情報の非対称性が主因。
- 58 独占 一つの企業のみが市場に存在し、価格支配力を持つ市場構造。
- 59 寡占 少数の企業が市場を支配する市場構造。企業間の相互依存関係が特徴。
- 60 独占的競争 多数の企業が差別化された製品で競争する市場構造。短期では超過利潤、長期では正常利潤。
- 61 完全競争 多数の売り手と買い手が同質の財を取引し、個々の主体が価格に影響を与えられない市場構造。
- 62 ゲーム理論 複数の意思決定主体が互いに影響し合う状況を数学的に分析する理論。
- 63 ナッシュ均衡 各プレーヤーが他のプレーヤーの戦略を所与として、自分の戦略を変更する誘因がない状態。
- 64 囚人のジレンマ 個人の合理的行動が全体にとって非効率な結果をもたらすゲームの典型例。
- 65 費用関数 生産量と総費用の関係を示す関数。固定費用と可変費用に分類される。
- 66 利潤最大化 企業が利潤(総収入-総費用)を最大にする生産量を選択する行動原理。MR=MCが条件。
- 67 限界費用 生産量を1単位追加したときに増加する総費用。MC=ΔTC÷ΔQ。
- 68 限界収入 販売量を1単位追加したときに増加する総収入。MR=ΔTR÷ΔQ。
- 69 規模の経済 生産規模を拡大すると平均費用が低下する現象。
- 70 範囲の経済 複数の製品・サービスを同一企業が生産することで、別々に生産するより総費用が低くなる現象。
- 71 公開市場操作 中央銀行が国債等の売買を通じてマネタリーベースを調節する金融政策手段。
- 72 預金準備率操作 中央銀行が民間銀行に義務づける準備預金の比率を変更する金融政策手段。
- 73 公定歩合操作 中央銀行が民間銀行に貸し出す際の金利(公定歩合)を変更する金融政策手段。
- 74 量的緩和政策 ゼロ金利下で中央銀行が金融機関の当座預金残高を大量に供給する非伝統的金融政策。
- 75 ビルトインスタビライザー 景気変動を自動的に安定化させる財政制度の機能。累進課税や社会保障が代表例。
- 76 裁量的財政政策 政府が景気状況に応じて意図的に税率や支出を変更する財政政策。
- 77 ポリシーミックス 財政政策と金融政策を組み合わせて経済目標を達成しようとする政策運営。
- 78 マンデル=フレミングモデル 開放経済におけるIS-LM分析の拡張。為替制度により財政・金融政策の有効性が異なることを示す。
- 79 リカードの等価定理 政府の財源調達が増税か国債発行かは、経済に与える効果が等しいという命題。
- 80 テイラールール 中央銀行が政策金利をインフレ率とGDPギャップに基づいて設定するルール。
- 81 金融政策の波及経路 金融政策が実体経済に影響を与えるまでの伝達経路。金利チャネルや為替チャネルなどがある。
- 82 ゼロ金利政策 中央銀行が政策金利をゼロ近傍まで引き下げる金融政策。
- 83 アベノミクス 安倍政権が推進した「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の三本の矢。
- 84 プライマリーバランス 国債関連費用を除いた歳出と税収等の差。財政の健全性を示す指標。
- 85 政府の失敗 市場の失敗を是正するための政府介入が、かえって資源配分を非効率にする現象。
- 86 比較優位 ある財の生産における機会費用が他国より低い場合、その財に比較優位があるという概念。
- 87 絶対優位 ある財の生産において、他国よりも少ない資源で生産できる場合に持つ優位性。
- 88 ヘクシャー=オリーンの定理 各国は自国に豊富に存在する生産要素を集約的に使用する財を輸出するという定理。
- 89 リカードモデル 労働のみを生産要素とし、技術差(労働生産性の差)から比較優位と貿易利益を説明するモデル。
- 90 国際収支 一定期間における一国と外国との間のすべての経済取引を体系的に記録した統計。
- 91 経常収支 貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計。国際収支の主要項目。
- 92 資本収支 国際間の資本取引(対外投資・対内投資)を記録する国際収支の構成項目。
- 93 為替レート 異なる通貨間の交換比率。変動相場制と固定相場制がある。
- 94 購買力平価説 為替レートは二国間の物価水準の比率によって決定されるという理論。
- 95 金利平価説 為替レートの予想変化率が二国間の金利差に等しくなるという理論。
- 96 マーシャル=ラーナー条件 自国通貨の減価が貿易収支を改善するための条件。輸出入の価格弾力性の和が1を超えること。
- 97 Jカーブ効果 通貨安の直後は貿易収支が悪化し、時間の経過とともに改善に向かう現象。
- 98 自由貿易 関税や非関税障壁を設けず、各国が自由に財・サービスを交換する貿易体制。
- 99 保護貿易 関税や非関税障壁によって国内産業を外国との競争から保護する貿易政策。
- 100 関税 輸入品に課される税金。国内産業の保護や税収確保を目的とする。
- 101 非関税障壁 関税以外の方法で輸入を制限する貿易障壁。輸入割当、技術基準、補助金などが含まれる。
- 102 WTO(世界貿易機関) 自由貿易の促進と国際貿易ルールの策定・紛争解決を担う国際機関。
- 103 FTA(自由貿易協定) 特定の国や地域間で関税やその他の貿易障壁を撤廃・削減する協定。
- 104 EPA(経済連携協定) FTAの内容に加え、投資、人の移動、知的財産など幅広い経済関係の強化を目的とする協定。
- 105 国際通貨制度 国際的な決済・為替の仕組みを規定する制度的枠組み。金本位制からブレトンウッズ体制を経て変動相場制へ。